福岡市早良区藤崎にある猿田彦神社は、普段は静かな小さな神社ですが、年に一度の「初庚申祭」には早朝から数千人の参拝者で賑わう福岡を代表する厄除けスポットです。
あまがみ初庚申祭は新年の初詣とは異なり、毎年2月頃に行われる特別な祭典で、福岡市民の玄関先でよく見かける縁起物の「猿面」を手に入れることができる唯一の機会です
この記事では、福岡移住者や初めて猿田彦神社を訪れる方に向けて、初庚申祭の魅力、混雑状況、アクセス方法、そして参拝のコツまで、地元民ならではの視点で詳しく解説します。



福岡の猿田彦神社は「初庚申祭」が最大の見どころだぞ
福岡市内を歩いていると、玄関先に掛けられた愛嬌のある猿の面を見かけたことはありませんか?この猿面を求めて、毎年早朝から長蛇の列ができる福岡の風物詩が、藤崎にある猿田彦神社の「初庚申祭(はつこうじんさい)」です。
初庚申は一般的な初詣とは異なり、新年最初の庚申の日(2026年は2月15日)に開催される特別な祭事。「災いが去る(サル)」の語呂合わせから、博多人形職人が一つひとつ手作りする猿面を玄関に掛けて厄除けを祈願する、数百年続く福岡独特の信仰文化です。



この日ばかりは朝7時の開始前から参拝者であふれ返ります
私も福岡移住後、初めて初庚申の存在を知り、その熱気と福岡市民の信仰の深さに驚きました。この記事では、混雑を避けるコツ、猿面の種類と飾り方、60日周期で訪れる他の庚申祭の情報まで、初庚申を120%楽しむための実践的な情報をお届けします。



2026年は、あなたも猿面と共に災いを遠ざけ、幸福を招き入れてみませんか
神社名: 猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)
住所: 福岡市早良区藤崎1-1-41
電話: 092-823-0089
参拝時間: 自由(社務所8:30〜17:00)
アクセス: 地下鉄空港線「藤崎駅」1番出口から徒歩1分
駐車場: なし(周辺のコインパーキング利用)
公式サイト: http://sarutahiko-fukuoka.jp/
なぜ猿田彦神社の初庚申祭が特別なのか


- 日時: 2026年2月15日(日)7:00〜18:00
- 授与品: 猿面(1,000円)、神面(3,000円)、福笹(500円)、猿飴(200円)、御朱印(300円)
- 混雑: 待ち時間2〜3時間の可能性あり
- おすすめ時間帯: 10:00〜11:00または15:00〜17:00
二番庚申2026年4月16日(木)7:00〜18:00
三番庚申2026年6月15日(月)8:30〜18:00
※実際の時間と異なる場合があります。
1. 福岡独自の「猿面」文化
福岡市内を歩いていると、住宅の玄関先に赤い顔をした猿のお面が飾られているのを見かけたことはありませんか? これが猿田彦神社で授与される「猿面」です。
猿面が特別な理由:
- 博多人形の職人が一つひとつ手作りしており、それぞれ微妙に表情が異なる
- 「猿」が「去る」に通じることから「災いが去る・幸福が訪れる」という縁起物
- 庚申祭の日のみ授与される限定品(年6〜7回のみ)
- 初穂料1,000円で一年間の厄除けができる
福岡市民にとって、玄関に猿面を飾ることは、その家の安全と幸福を願う伝統的な習慣として根付いています。福岡に移住してきた方なら、この猿面を手に入れることで、地域の文化に溶け込む第一歩となるでしょう。
2. 道案内の神「猿田彦大神」のご利益
猿田彦神社の御祭神は、日本神話で天孫降臨の際に道案内をした猿田彦大神(サルタヒコノオオカミ)です。
主なご利益:
- 道ひらき・方位除け – 人生の岐路で正しい道を示してくれる
- 交通安全 – 道案内の神としての神徳
- 厄除け・開運 – 災難を祓い福を招く
- 縁結び・子孫繁栄 – 家族の幸せを守る
特に、新しい土地での生活をスタートさせた移住者、転職や人生の転機を迎えている方、受験生(猿は「木から落ちない」ことから合格祈願)にとって、心強いご利益があるとされています。
3. 初庚申祭が一年で最も賑わう理由
年に6〜7回開催される庚申祭の中でも、「初庚申祭」は格別です。
初庚申祭の特徴:
- 年の初めの庚申の日に開催される新春の大祭
- 前年の猿面を返納し、新しい猿面を受ける習慣
- 早朝7時から夕方18時までの長時間開催
- 夜明け前から行列ができるほどの人気
2025年の初庚申祭は2月20日(木)に開催され、7時から18時まで社務所が開設されます。この日を逃すと、次は二番庚申(4月21日)まで待つことになります。
4. 歴史ある神社の風格
猿田彦神社の鳥居には1713年(正徳三年)と1906年(明治三十九年)の再建記録が刻まれており、300年以上の歴史を持つ神社です。もともとは旧唐津街道の出入り口に祀られた道祖神として、旅人の安全を守ってきました。
現在は近くの紅葉八幡宮が管理していますが、令和3年10月からは宮司が常駐するようになり、地鎮祭などの祈願も受け付けています。
初庚申祭の実際の様子
当日の混雑状況と待ち時間


初庚申祭の混雑は想像以上です。県外から訪れる人もいる人気の庚申祭。
猿田彦神社がある明治通りからずらっと並んで、裏の住宅街まで続いています。実際の参拝者の体験談から、具体的な状況をお伝えします。
混雑のピークと待ち時間:
- 2016年の初庚申では、朝7時15分に到着して境内に入るまで約2時間近く待つ状況でした
- 待ち時間が2時間から3時間に及ぶこともあり、藤崎の住宅街の奥深くまで長い行列が続きます
- 早朝5時台から並び始める熱心な参拝者も多数
- 終了時間の18時まで、常に行列が途絶えることはない
時間帯による混雑の波: 神社側によると、時刻によって列の長さに波があり、毎年変わるため予想が難しいとのこと。ただし、一般的には以下の傾向があります:
- 最も混雑: 開始直後の7:00〜9:00、昼休み時間帯の12:00〜13:00
- 比較的空いている: 10:00〜11:00、15:00〜17:00頃
- 避けるべき: 終了間際の17:30以降(打ち切りの可能性あり)
防寒対策は必須
2月の福岡は想像以上に寒く、特に早朝は冷え込みます。
必須の持ち物:
- 厚手のコートやダウンジャケット
- カイロ(貼るタイプと握るタイプ両方)
- マフラー、手袋、帽子
- 折りたたみ椅子やレジャーシート(長時間待つ場合)
- 温かい飲み物(水筒に入れて)
- 暇つぶしのスマホ充電器
実際に参拝した方の多くが「防寒対策をしっかりしていけばよかった」と振り返っています。福岡の2月は風が冷たく、屋外で2〜3時間待つことを考えると、準備は念入りに。
授与品の種類と初穂料


初庚申祭では、猿面以外にも様々な授与品があります。
主な授与品:
- 猿面(さるめん) – 1,000円
- 博多人形職人による手作り
- 表情が一つひとつ異なる
- 玄関の外側に掛けて厄除け
- 神面(かみめん/大面) – 3,000円
- 猿田彦大神の顔をかたどった面
- 床の間などに飾る
- 時間が経つと赤みが増す
- 福笹 – 500円
- 布製の猿がついた縁起物
- 初庚申と二番庚申のみ授与
- 神棚に飾る
- 猿飴(さるあめ) – 200円
- お土産や厄除けのおすそ分けに最適
- 職場や友人に配る方も多い
- 御朱印 – 300円
- その場で書いていただける
- 「初庚申」と朱色で記載される
- こちらも2〜3時間待つこともある
猿面は無くなることはないよう用意されていますが、他の授与品は無くなり次第終了となるので、福笹や御朱印を希望する方は早めの参拝がおすすめです。
猿面の正しい飾り方
せっかく手に入れた猿面も、飾り方を間違えると効果が半減してしまいます。
正しい飾り方のポイント:
- 玄関の外側(屋外)に飾る – 外から入ろうとする魔を睨む
- 向きは外側を向くように – 家の中を守る
- 高めの位置に掛ける – 目線より高い位置が理想
- 一年間飾ったら、翌年返納する – 次の庚申祭で返納し、新しい面を受ける
- 雨風に当たっても問題なし – 屋外用に作られている
福岡市内を歩いていると、多くの家の玄関先に猿面が飾られているのが見えます。これが福岡の風景の一部となっており、地域に溶け込む良いきっかけになります。
アクセスと周辺情報
電車でのアクセス(最もおすすめ)
福岡市営地下鉄空港線「藤崎駅」
- 神社には駐車場がないため、公共交通機関の利用が推奨されています
- 藤崎駅1番出口から徒歩約1分(約80m)
- 博多駅から約15分、天神駅から約5分
- 早朝から電車が動いているため、開始時間に間に合う
主要駅からの所要時間:
- 博多駅 → 藤崎駅:約15分(230円)
- 天神駅 → 藤崎駅:約5分(210円)
- 福岡空港駅 → 藤崎駅:約10分(210円)
明治通り沿いにあり、1番出口を出るとすぐに神社が見えるため、初めての方でも迷うことはありません。
車でのアクセスとコインパーキング情報
車で行く場合は、周辺のコインパーキングを利用することになります。
近隣の主なコインパーキング:
- リパーク藤崎駅前 – 神社まで約77m
- 収容台数:1台
- 料金:60分300円
- リパーク藤崎 – 神社まで約78m
- 収容台数:7台
- 料金:60分300円
- 最大料金:20:00-8:00 500円
- その他周辺のコインパーキング
- 30分100円〜のところもある
- 最大料金設定ありの駐車場が便利
・初庚申祭当日は周辺道路が非常に混雑
・早朝でもコインパーキングが満車になる可能性
・駐車料金は2〜3時間で600円〜900円程度を想定
・できる限り公共交通機関の利用を推奨
バスでのアクセス
西鉄バスも利用可能です。
最寄りバス停:
- 「藤崎」バス停 – 神社まで徒歩約1分
- 「早良口」バス停 – 神社まで徒歩約3分
博多駅や天神からのバスもありますが、本数や混雑を考えると地下鉄の方が便利です。
周辺施設と立ち寄りスポット
参拝の前後に立ち寄れる施設も充実しています。
周辺の主な施設:
- 紅葉八幡宮 – 徒歩約10分
- 猿田彦神社を管理している神社
- 合わせて参拝するのもおすすめ
- 藤崎商店街 – 徒歩すぐ
- 昔ながらの商店街
- 朝食やお茶を楽しめる店も
- 西南学院大学 – 徒歩約15分
- 美しいキャンパスで散策も楽しめる
- 福岡タワー方面 – 車で約10分
- 参拝後の観光に
初庚申祭以外の楽しみ方


年6〜7回の庚申祭スケジュール
初庚申に行けなくても大丈夫。猿面は年に複数回授与されています。
2025年の庚申祭スケジュール:
- 初庚申:2月20日(木)7:00〜18:00
- 二番庚申:4月21日(月)7:00〜18:00
- 三番庚申:6月20日(金)8:30〜17:00
- 四番庚申:8月19日(火)8:30〜17:00
- 五番庚申:10月18日(土)8:30〜17:00
- 終庚申:12月17日(水)8:30〜17:00
※実際の時間と異なる場合があります。
混雑を避けるなら: 初庚申が大変混雑するのに対し、二番庚申は比較的落ち着いているとの情報があります。公式サイトでも、初庚申と二番庚申は参拝者多数が予想されるため、三番庚申以降の参拝を推奨しています。
混雑を避けたい方、小さなお子様連れの方は、三番庚申以降がおすすめです。
普段の参拝も魅力的
庚申祭以外の日も参拝可能です。
普段の猿田彦神社:
- 参拝自由(24時間開放)
- 社務所開設:8:30〜17:00
- 御祈祷や地鎮祭も受付
- 静かでゆっくり参拝できる
- 都会の喧騒を忘れられる癒しの空間


猿田彦神社
明治通りという大通り沿いにありながら、境内に入ると不思議と落ち着いた雰囲気に包まれます。
しかも夜女性一人で参拝しても「怖い」と感じないと思います。仕事帰りや散歩の途中に、ふらっと立ち寄って心を整えるのも良いでしょう。
社務所に人がいなくても、普段から人気の神社で、参拝に来ている人は常にいるように感じます。
社務所が開いてないとお守り関係は購入できないので、参拝だけして帰る人も多いと思いますが、やはり縁起が良い神社ですので、行くと良いことが起こりそうな気持ちになります。
場所も駅からすぐで行きやすいですし、街中にある良い神社だと思います。



何もない普段は、社務所に人が見えない場合もよくあります
境内の見どころ
小さな神社ですが、見どころがいくつかあります。
注目ポイント:
- 猿の石像 – 参道や境内に配置された愛嬌のある猿の石像
- 亀の形をした扁額 – 珍しい亀型の扁額(神社の額)
- 本殿裏の石祠 – パワースポットとして人気
- 歴史を感じる鳥居 – 1713年の刻字が残る石柱
境内はコンパクトですが、都会の中にある静謐な空間として、多くの参拝者に愛されています。
福岡の猿田彦神社で新年の厄除けを
初庚申祭参拝の5つのポイント
- 日程確認 – 2026年は2月15日(日)7:00〜18:00
- 早めの到着 – 混雑を避けるなら10:00頃か15:00以降がねらい目
- 防寒対策 – 2月の福岡は予想以上に寒い、万全の準備を
- 公共交通機関 – 地下鉄藤崎駅から徒歩1分、車は駐車場探しが大変
- 時間に余裕を – 2〜3時間待つこともある、スケジュールに余裕を持って
福岡移住者におすすめする理由
福岡に移住してきた方にとって、猿田彦神社の初庚申祭は地域文化を体験する絶好の機会です。
移住者が初庚申祭に参加するメリット:
- 福岡独自の伝統文化を肌で感じられる
- 玄関に猿面を飾ることで「福岡市民」の仲間入り
- 地域の人々との会話のきっかけになる
- 新しい土地での厄除け・開運祈願ができる
- SNS映えする体験で、移住生活の記録に
実際、福岡市内の多くの家の玄関に猿面が飾られており、これは福岡ならではの風景です。移住してきたばかりの方が「あの猿面はどこで手に入るの?」と疑問に思うことが多いですが、その答えがこの猿田彦神社の庚申祭なのです。
混雑を避けたい方へのアドバイス
どうしても混雑が苦手という方には、以下の方法をおすすめします:
混雑回避の3つの選択肢:
- 三番庚申以降に参拝 – 6月以降は比較的落ち着いている
- 終庚申で返納と授与を同時に – 年末の終庚申で新しい面を受ける方も増加中
- 二番庚申の平日 – 4月21日(月)は平日のため若干空いている可能性
ただし、初庚申の賑わいと熱気は、それ自体が一つの「体験」として価値があります。福岡の文化を深く理解するためには、一度は初庚申の混雑を体験してみることをおすすめします。
最後に:福岡の新しい年始の形
一般的な初詣は1月1日〜3日ですが、福岡では2月の初庚申祭が「もう一つの新年行事」として定着しています。正月の初詣とは違った、福岡ならではの厄除け文化を体験できる貴重な機会です。


2026年2月15日(日)、少し早起きして猿田彦神社へ。福岡市民に長年愛されてきた伝統の猿面を手に入れ、新しい一年の安全と幸福を祈願してみませんか。
待ち時間は長いかもしれませんが、その分、手に入れた猿面への思い入れも強くなるはずです。玄関に飾られた猿面が、あなたとあなたの家族を一年間しっかりと守ってくれることでしょう。
まとめ
地下鉄藤崎駅から徒歩わずか1分、明治通り沿いに佇む猿田彦神社。普段は気づかずに通り過ぎてしまいそうな小さな神社が、初庚申の日には何百人もの参拝者で賑わう。その光景こそが、福岡に根付いた庚申信仰の深さを物語っています。
混雑を避けるなら二番庚申以降がおすすめ、それでも初庚申の熱気を体験したいなら早朝参拝が必須。そして何より、博多人形職人が一つひとつ丹精込めて作り上げる猿面は、どれも少しずつ表情が違い、あなただけの一体に出会える喜びがあります。玄関に掛けられた猿面が、外から入ってくる災いを睨みつけ、家族の安全を守ってくれるそんな温かい信仰が、今も福岡の街に息づいています。
初庚申は年に一度ですが、60日周期で訪れる庚申祭は年に6〜7回。この記事でお伝えした情報を活かして、あなたのタイミングで猿田彦神社を訪れてみてください。「災いが去る」猿面と共に迎える新しい年が、皆さんにとって幸多き一年になりますように。福岡ならではの信仰文化に触れる、特別な体験が待っています。




