「福岡に移住したいけど、自然災害って大丈夫なの?」
「地震や台風が来たとき、何を準備しておけばいいの?」
福岡への移住を考えている人や、すでに福岡で暮らし始めた人から、こんな疑問をよく聞きます。
あまがみ福岡は「災害が少ない街」というイメージを持たれがちですが、実際には地震も水害も、決して他人事ではありません
この記事では、福岡で暮らすうえで知っておきたい自然災害のリスクと、今日からすぐに始められる対策・備蓄の準備について、わかりやすく解説していきます。ぜひ最後まで読んで、今日から少しずつ備えを始めてみてください。
福岡は「災害が少ない街」ではなく「備えが効く街」
まず最初に結論をお伝えします。福岡は全国的に見れば地震や台風の被害が比較的少ない地域です。ですが、「災害が起きない街」ではありません。



むしろ、日頃からきちんと備えをしておけば被害を最小限に抑えられる、「備えが効く街」だと考えるのが正しい捉え方です
理由は大きく分けて3つあります。
- 福岡にも地震を起こす活断層が存在し、過去に大きな地震が発生している
- 梅雨や台風のシーズンには、毎年のように水害・浸水被害が発生している
- 「災害が少ない」という油断が、いざというときの被害を大きくしてしまう
この3つの理由を、これから順番に詳しく見ていきましょう。
理由1:福岡にも活断層があり、大きな地震が起きている
「福岡=地震が少ない」というイメージを持つ人は多いですが、これは半分正解で半分誤解です。たしかに、全国の都道府県の中で比べると福岡の地震発生回数は少なめです。



しかし、地震が「起きない」わけではありません
福岡県内には警固断層(けごだんそう)という活断層があり、福岡市の中心部を南北に走っています。この断層が動くと、福岡市内全域で強い揺れが起きると予測されています。実際に2005年3月には福岡県西方沖地震という非常に大きな地震が発生しており、博多湾に浮かぶ玄界島などで大きな被害が出ました。



さらに、福岡県が発表している被害予測によると、警固断層で地震が発生した場合、福岡市内のすべての区で液状化のリスクが高いと判定されている
液状化とは、地震の揺れによって地面が急にドロドロの液体のようになってしまう現象で、建物が傾いたり、地面から水や砂が噴き出したりします。
また、糸島地域や玄界灘周辺の活断層、さらに南海トラフ地震の影響が福岡にまで及ぶ可能性も指摘されています。



加えて、玄界灘沿岸の福津市・宗像市・糸島市などでは、大規模な地震が起きた際に数メートル規模の津波が到達すると想定されています
つまり福岡は「めったに地震が来ない街」ではなく、「頻度は低いけれど、いざ起きると大きな被害につながりうる街」だと理解しておく必要があります。
理由2:梅雨と台風のシーズンには水害リスクが高い


福岡でもっと注意すべきなのは、実は地震よりも「水害」です。福岡は中小の河川がとても多く、梅雨の集中豪雨や台風のたびに、川の氾濫や道路の冠水が起こりやすい地形をしています。



福岡市内だけを見ても、多々良川・宇美川・室見川・樋井川といった河川の周辺は、大雨が降ると注意が必要なエリアとされています
実際に過去にも大きな被害が出ています。1999年6月29日の水害では死者1人、被災家屋3,173戸、地下施設の浸水81棟という被害が発生し、その後の2003年7月19日の水害でも、被災家屋1,759戸、地下施設浸水97棟という被害が出ました。



福岡県全体で見ると、被害の大きい地域はさらに広がります
筑後川や遠賀川の流域は、豪雨のときに氾濫の危険度が高い地域として知られており、特に久留米市・柳川市・大川市を含む筑後川流域では、2019年の豪雨で大規模な浸水被害が発生し、中流から下流にかけての氾濫リスクが今も続いています。朝倉市付近では、筑後川沿いで洪水が起きた場合に最大5〜10メートルもの浸水が想定されている場所もあり、これは2階の屋根近くまで水につかってしまうレベルです。



さらに、朝倉市や八女市といった山間部では、梅雨や台風シーズンになると土砂災害のリスクも高まってしまう…
福岡は海にも面しているため、台風や発達した低気圧の影響で海面が異常に上昇する「高潮」の被害が湾岸エリアで起こる可能性も指摘されています。
つまり福岡での自然災害対策を考えるとき、地震対策と同じくらい、あるいはそれ以上に「水害対策」を重視する必要があるということです。
理由3:「災害が少ない」という思い込みが一番危ない
3つ目の理由は、少し心理的な話になります。福岡は住みやすさランキングで常に上位に入る人気の街です。自然も豊かで、都市機能もコンパクトにまとまっていて、災害が少ないというイメージも手伝って、多くの人が移住先として選んでいます。



しかし、このポジティブなイメージが、逆に危険な「油断」につながることがあります
福岡は比較的自然災害の少ない場所ですが、6月から7月の梅雨時期には水害が、夏から秋の台風シーズンには暴風雨による被害が発生することがあり、地震についても全国的に見れば少ない方ではあるものの、決して油断はできません。
実際に福岡市は、こうした都市型の水害に対応するため、河川整備や下水道整備に加えて、市民向けの防災情報サイトの開設や自主防災組織の育成、防災情報収集の強化といったソフト面の対策にも力を入れてきました。



その結果、最近の都市型災害では大きな被害は発生していません
つまり、行政側の対策が功を奏している面もあるということです。しかし、これは裏を返せば「対策をしていなければ被害が出ていたかもしれない街」だということでもあります。
だからこそ、住んでいる私たち一人ひとりも、行政任せにせず、自分の家庭でできる対策をしっかりと行っておくことが重要なのです。
今日からできること:福岡での自然災害対策5つ
ここからは、実際に福岡で暮らす人が今日から取り組める、具体的な自然災害対策を5つ紹介します。
1. ハザードマップで自分の家のリスクを確認する
まず最初にやるべきことは、自分が住んでいる場所のハザードマップを確認することです。



福岡市には「福岡市総合ハザードマップ」というウェブサイトがあり、洪水・土砂災害・地震による危険度の情報が地図上で確認できます
自分の家が河川の近くにあるか、土砂災害警戒区域に入っていないか、地震のときにどれくらい揺れやすい地盤なのかを、まずは目で見て確認しましょう。福岡市以外に住んでいる人も、それぞれの市町村のホームページで同様のハザードマップが公開されています。



「自分の家は大丈夫」と思い込まず、実際に地図で確かめることが、対策の第一歩です
2. 避難場所と避難ルートを家族で共有しておく


ハザードマップで危険なエリアが分かったら、次は「実際に災害が起きたときにどこへ逃げるか」を決めておきましょう。



近所の指定避難所がどこにあるか、そこまでどのルートで行くのが安全かを、家族全員で一度話し合っておくことが大切です
特に水害の場合、夜間や大雨の中で慌てて避難すると、かえって危険な場合もあります。「大雨警報が出たらすぐ避難する」「避難のタイミングを誰がどう判断するか」など、家族内でのルールを事前に決めておくと安心です。
3. 家具の固定と住宅の耐震・水害対策をチェックする
地震対策としては、家具の転倒防止が基本です。タンスや本棚が倒れてこないよう、L字金具やつっぱり棒でしっかり固定しましょう。



特に寝室や子ども部屋は、就寝中に家具が倒れてくると大けがにつながるため、優先的に対策しておきたい場所
水害対策としては、床下浸水を防ぐための止水板や、大切な家財を高い場所に移動させておくことも有効です。持ち家の場合は、家を建てる前や購入前に、周辺の耐震性や浸水想定区域を確認しておくことも、長い目で見た自然災害対策になります。
4. 家庭での「備蓄」を今日から始める


自然災害対策の中でも特に重要なのが、家庭での備蓄です。災害が起きると、電気・水道・ガスといったライフラインが止まったり、スーパーやコンビニから食料品が消えてしまったりすることがあります。



実際に大きな地震のあとには、水やおにぎり、パン、牛乳といった商品が1週間程度、品薄や欠品が続く状態になったという記録も残っています
農林水産省は、2014年に「緊急時に備えた家庭用食料品備蓄ガイド」を策定し、普段使いの食料品を多めに買い置きして、使った分だけ買い足していく備蓄の方法を勧めています。



この方法は「ローリングストック法」と呼ばれ、賞味期限切れを防ぎながら、無理なく備蓄を続けられるのが特徴です
備蓄の目安としては、最低でも3日分、できれば1週間分の食品を人数分用意しておくことが望ましいとされており、自治体のハザードマップなどを確認して、住んでいる地域の状況によっては2週間分など、さらに多めに備えておくことも大切だとされています。



具体的な量のイメージとしては、大人2人で1週間分を備える場合、水2リットルのペットボトルを24本(約48リットル)、米4キロ、レトルト食品24食分、缶詰18缶程度が一つの目安として紹介されています
4人家族の場合は、3日分でも家族全員で延べ12日分、つまり食事36食分・水36リットル程度が目安になり、家族の人数に応じて量を調整する必要があります。
備蓄しておきたい代表的な品目は次の通りです。
- 飲料水(1人1日3リットルが目安)
- 米・パックご飯・パン・乾麺などの主食
- レトルト食品、缶詰、栄養補助食品
- カセットコンロとガスボンベ
- 携帯トイレ、トイレットペーパー
- 懐中電灯、モバイルバッテリー、乾電池
- 救急セット、常備薬
- 小さな子どもがいる家庭は離乳食や粉ミルク、高齢者がいる家庭は介護食や持病の薬も忘れずに用意しておきましょう。
5. 情報収集の手段を複数確保しておく
最後に、災害が起きたときに正確な情報を得る手段を複数用意しておきましょう。スマートフォンだけに頼っていると、停電やバッテリー切れで情報が取れなくなることがあります。



電池式や手回し式のラジオを1台用意しておくと、停電時でも気象情報や避難情報を得ることができます
また、市町村の防災アプリやSNSの公式アカウントをあらかじめフォローしておくことで、避難指示などの情報をいち早くキャッチできます。福岡市であれば「福岡市防災メール」など、地域ごとに提供されている防災情報サービスに登録しておくこともおすすめです。
まとめ
最後にもう一度、結論をお伝えします。福岡は全国的に見れば災害が少ない地域ではありますが、警固断層による地震や、梅雨・台風シーズンの水害・土砂災害・高潮といったリスクは確かに存在しています。「災害が少ない街だから大丈夫」と油断せず、今日からできる対策を少しずつ始めていくことが何より大切です。
具体的には、
- ハザードマップで自分の家のリスクを「知る」
- 避難場所・避難ルート・家族内のルールを「決める」
- 家具の固定と、最低3日分〜1週間分の食料・水を「備える」
この3つのステップを意識するだけで、いざというときの安心感は大きく変わります。福岡での暮らしを長く安心して楽しむためにも、この記事をきっかけに、ぜひ今日から少しずつ自然災害への備えを進めてみてください。




